ご報告
突然のご報告となり申し訳ありません。
先日、どっかんプロの公式Twitterアカウントから発表がありましたが
かねてより組んでいたコンビ「ヒラメカレイ」を解散することになりました。
「どっかんプロから重要なお知らせ」
— お笑い事務所どっかんプロ (@dokkanpro) 2018年1月20日
1月25日(木)のお笑いライブ「茨の珍道」を持ちまして、弊社所属芸のヒラメカレイは解散致します。
今後の活動につきまして、とかちカレイは芸人を続けます。ヒラメ橋野は就職する予定です。
これまで応援してくださった皆様には、急な発表になりまして、大変申し訳ないと思っております。とても勝手な申し出ですが、これからも彼らを応援頂ければと思います。
— お笑い事務所どっかんプロ (@dokkanpro) 2018年1月20日
どっかんプロ
これが発表されたのが、二日も前のことです。
そしてこの二日間はツイッターなどでも何も触れてきませんでした。
なぜかというと、
発表があった瞬間はお世話になっているラジオ局のプロデューサーさんと明け方の3時半まで酒を飲み、
そのまほぼオールで地元の友人たちと人生初のスノーボードに行っていたからです。
なんと言ったらいいのか、うまく言葉がまとまらず考え込んでしまっていたからです。
コンビを結成して約3年、本当に多くの方に支えられて活動させていただいてきました。
結成1年目のM-1グランプリで三回戦進出。
京都、祇園花月の舞台に立てたのはいい思い出です。
ライブもたくさんやってきました。
事務所ライブ「茨への階段」「茨の珍道」をはじめ、
テーマネタライブ「ランハンシャ」、トークライブ「カレイなる円卓」、独演会「ゼッタイ寄席!」、ツキイチ単独ライブ「バリバリネタ勝男くん」、
単独ライブも半年で3本とかやっていた時期もありました。
単独ライブには遠くは香川県から足を運んでくださる方もいらっしゃって、それが今でもヒラメカレイの自慢です。
ありがたいことに結成当初の実績も何もない時期から週一のラジオレギュラーMID-FM 761「愛してますか」をいただいたり、
ラジオ局のスタジオをお借りして隔週でツイキャス配信をしていたこともありました。
本当にたくさんの経験をさせていただきました。
お客様をはじめ、関係者の皆様には感謝しかありません。
そしてだからこそ、解散という結果になってしまったことを本当に申し訳なく思っています。
ヒラメカレイとしてたくさん舞台に立ってきて、たくさんお仕事もさせてもらいました。
ですがそのなかで、ボクは一度たりとも満足したことはありませんでした。
やればやれだけ見えてくる課題、自分たちの未熟さ。
もっとお客さんを楽しませることができる、
もっと共演者さんがやりやすいように立ち回れる、
もっとクライアントさんの意向に沿ったイベントになるようにできる、
もっと上手な漫才ができる
もっと面白い漫才ができる
もっともっと最高の漫才ができる
ハードルが、壁が、目の前にとんでもない数だけ並んでいて先なんて何も見えません。
ですがそれを辛いとも思ったことがなく、そこにやりがいを感じて挑戦し続けてきました。
限界なんて、考えたこともありませんでした。
ですが、相方は違っていたみたいです。
そもそもコンビを組む前から限界がちらついていたみたいです。
そしてそこに、
30代が迫ってくる年齢、
お笑いを続けることでの両親への罪悪感、
将来への不安、
全てがのしかかってきたのでしょう。
昨年の11月、「就職したい」と言った彼に、ボクはかける言葉がみつかりませんでした。
引退を言い渡されてからというもの、
ボクの方は見事に体調を崩し、
高熱と腹痛に見舞われながら、
一週間で体重が5キロ落ちたりもしました。
そのとき一緒に遊んでいたフィッシュさんに「体調悪いの?」と聞かれたりしましたが、
体調を崩していることがバレると「弱っわ〜(笑)」とバカにされるので
「事務所がボロいからアレルギーなんです!」と必死に言い逃れしていました。
だってフィッシュさんにバカにされるのって死ぬほどムカつくんですよ。
「弱っわ〜」の「わ〜」の言い方なんて健康状態でも殺意が沸くのに
体調不良でゆとりがないときに言われたら一族ごと抹殺してやろうかと思うくらいです。
そもそも、事務所がボロいのは本当のことですし、長時間いたら確実に体が何か良くないものに侵されます。
先輩たちが有志をつのって贈呈した合皮のソファーはボロボロになって安いフェルトみたいな生地がむき出しになってるし、
トイレの天井はほぼ剥がれ落ちてきてるし、
雨も降ってないのに雨漏りするし、
口臭いし、
寝てるとき口呼吸だから「んんっはぁ〜」って言うし、
そんでそれに対して「はい?」って返事しちゃって一人恥ずかしくなるし……
閑話休題。
ともあれ、お笑いを辞めるというのは相当な覚悟が必要です。
なんせ夢を諦めるわけですから。
芸人のお笑いに対する執着はとてつもないものがあります。
「お笑いと乞食は一度やると抜けられない」という言葉がありますが、まさにその通りだと思います。
ステージで笑いをとる快感というのは何物にも代えがたい特別な魅力があります。
それの味を占めておきながら、今後もう一生得られないというのは本当に辛いことです。
それに、彼が引退すると言ったとき、本当に多くの方が引き止めようと説得してくれました。
それこそ社長のフィッシュさんをはじめ、一緒にお仕事させてくださった様々な方たちがです。
ですがそれでも彼の決意は変わりませんでした。
それほどまでの覚悟があるのならば、ボクは素直に応援しよう、とそう思いました。
逆にボクは前職の教員を辞めてしまうくらいお笑いを諦めることができなかったので、その選択ができる彼を尊敬すらしています。
どうか皆さんも、彼のその覚悟を尊重し第二の人生の方を応援してあげてください。
そしてどうか、去る者の後ろ髪を引かないであげてほしいです。
引退にあたって本人は本当にたくさんたくさん考え抜いたはずです。
お笑い芸人(に限らず社会人全般)が仕事を辞めるというのは、
とても多くの方に迷惑がかかります。
とくにヒラメカレイを辞める際に彼はそれを痛感したと思います。
事務所の、関係者の皆さんの、
そして何より多くのお客様の期待を裏切ってしまったことを
人一倍感受性の豊かな彼には切に沁みているはずです。
それだけの思いで、お笑いを引退するという彼の決断を受け止めて、第二の人生へと進む背中を押してあげてください。
そしてこのライブがヒラメカレイのラストライブです。
ぜひ、観に来てください!
どっかんプロレギュラーライブ
【茨の珍道vol.155】
毎月第4木曜日開催
日付/1.25(木)
時間/開場19:00 開演19:30
場所/金山CLUB SARU(名古屋市中区金山3丁目5−23)
出演/どっかんプロ芸人、他
料金/1,500円(1ドリンク付)
▽所属事務所「どっかんプロ」のレギュラーライブ。ネタ、トーク、企画コーナーとオーソドックスなお笑いライブ。
彼の「就職したい」という告白から、2ヶ月が経ちました。
年が明けました。
「就職したい」と言った彼に、ボクはかける言葉がみつかりませんでした。
時間が経った今なら、言うことができます。
こんな奴が就職なんかできるわけねーだろ!(笑)
出演情報
トークライブ
【みんなのトーク】
毎月第2木曜日開催
日にち/2.8(木)
時間/開場19:30 開演20:00(21:00終演予定)
場所/PICO2(名古屋市北区山田1丁目1−43)
出演/とかちカレイ、空飛ぶリビング、ひとしザ・ワールド、しおあじ、B.C
料金/1,000円
▽名古屋の若手お笑い芸人による1時間のトークライブ。なんと、B.Cが参戦です!